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掘炬燵で雪見酒……、夢の原型

2011.12.09

設計者としてのぼくは、和室についての過大な要求が、もっと日常的に使われる空間を圧迫するという事態にしばしば悩まされているので、“畳への憧れ”の非合理性を、つい強調しがちになる。しかし、誤解のないように急いで付け加えれば、ぼくは、こと住宅に関しては、非合理は即ち悪という風には考えないので、“畳への憧れ”に対しても必ずしも否定的ではない。それどころか、ぼく自身も、個人としては、この憧れを深く共有しているのだ。

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畳の部屋ってのは、なにしろ良いもんで、初夏に新しい畳の香りの中でうたた寝するのも素敵だし、さらに想像をたくましくすれば、冬の日曜日に掘炬燵にもぐって雪見酒なんてのは、もうたまらない。すじ子かなんかを肴に飲んでいて、「おーい、酒がないよー」と叫ぶと、和服姿の女房がつつましくも、しずしずとお銚子を運んでくれば言うことなしだ。と、このくだりを読むと、多数の男性諸君は、実にそのとおりと共感してくださるに違いない。右のようなイメージは、日本の亭主族、とくに、そろそろ自分の家を建てようとする四十代、五十代の男性に共通した夢の原型なのだ。